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弊社ではドイツのキッチンメーカー、ワーレンドルフ社製キッチンの取り扱いをしております。

ワーレンドルフ社の生い立ち

ワーレンドルフ社はドイツに本拠をもつキッチンメーカーで、高機能、高耐久性そして高いデザイン性で知られています。その前身はミーレ社のキッチン家具セクション「ミーレ・キッチン」です。

ミーレ・キッチンからワーレンドルフへ

ミーレ(Miele)社はドイツの老舗家電メーカーです。1899年にヘルツェブルクで創業、1901年、世界ではじめて機械式洗濯機の実用化に成功して以来欧州屈指のプレミアム家電メーカーに成長し、世界中で支持をあつめてきました。
ところでミーレ社経営陣はつねに自社製品のデザイン性を重視してきました。とりわけキッチン家電は最高級の家具と調和しなければならず、また自社製品にふさわしいキッチン家具がなければならないと考えていました。1970年代、こうした考えを背景にミーレ社内に自社製品を収納する家具の製造部門「ミーレ・キッチン」が誕生しました。ワーレンドルフ社はこのミーレ・キッチンが独立したものです。

ノルトライン=ヴェストファーレン州

ミーレ社、そしてワーレンドルフ社創業の地はドイツ北西部に位置するノルトライン=ヴェストファーレン州です。この州は中世をおもわせるのどかな田園風景で知られます。しかし同時に自由都市に名を連ねてきた進取の気性が高い都市があつまる地域で、19世紀末にはじまるドイツ産業革命を先導し、また帝政ドイツとドイツ連邦共和国(西ドイツ)の主要部を形成した地域でもあります。州都は欧州屈指の工業都市デュッセルドルフ、州各都市には画期的な事業を展開する多様なメーカーが点在します。ワーレンドルフ社もその中のひとつで、社名はみずからの創業の地、ヴァーレンドルフ郡に由来します。郡都ヴァーレンドルフ市に隣接するギュータースロー市にはミーレ社の本社工場が建ちならび、そのまさに軒先にワーレンドルフ社屋はあります。

産業革命とバウハウス運動

州一帯の工業メーカーには帝政ドイツの産業政策とバウハウス運動の影響がみられます。
産業革命の盛期、新興の帝政ドイツ連邦は農業国から工業国への転換をはかり、前近代的だったドイツの工業は大きく変わりました。他国との決定的なちがいは時代的段階を踏むことなしに既成の価値観から自由な状態で一気に先端技術に触れたこと、中世以来のマイスター制度が近代工業に組み込まれたことでした。これらの要素は製品の規格化とシステム化、モジュール化、高品位・高精度への指向となりました。そしてノルトライン=ヴェストファーレン州は、この産業革命の中核をになう役割を果たしました。州内に生まれたいくつもの工業都市はルール工業地帯を形成し、ここから生まれた工業製品は欧州全土、やがて世界中に「Made in Germany」の名を広めてゆきました。

産業革命の中で史上はじめて工業製品があらわれたとき、その美しさはどうあるべきかという問いがおこりました。科学技術と芸術の融合を目指すバウハウス運動はこうした状況を背景におこりました。
学術研究施設にしてマイスター養成校、そして芸術の拠点を兼ねるバウハウスの中で、教員と学生たちは試行錯誤をかさねながら科学技術と機能が構造と造形を決定するプロセスを見出し、機能美、造形美、そしてインダストリアルデザインという新領域を創生しました。ここで学んだ学生たちはやがてドイツの工業製品を他国とは一線を画すものとしてゆきます。白物家電やキッチン家具は先端の科学技術や芸術とは一見無縁ですが、ドイツにおいては多かれ少なかれ産業革命とバウハウス運動の影響を受けています。

ドイツキッチンの誕生

往年のドイツキッチンを意識したワーレンドルフのディスプレイ

従来キッチンとは建築か家具の専門職人が現場でつくる一点ものが主流でした。19世紀後半、急速に工業化が進むドイツではあらゆる分野の工業化がためされており、そこには他国では思いつかないような、キッチンのシステム化と量産化の試みも含まれていました。ドイツのキッチンメーカーが工場から送り出すユニットは時代をひとつとびこえた、家具というよりも工業製品としての要素を備えていました。とくに輸送とレイアウト設計に対応するためのユニット化とモジュール化、家具と家電の一体化を目指すビルトイン・スタイルなどは好評で、ドイツ国内だけではなく欧州各国でも高評価を得ました。はじめは生産国を意味するだけだった「ドイツキッチン」の名称はいつしかブランドの名となりました。ドイツキッチンはビルトイン型家電の規格化も促しながら欧州各国のキッチンのスタイルを変えてゆきました。20世紀後半になるとシステムキッチンとキッチン家電の普及は本格化します。つぎつぎに発売されるクッカーや食洗機は手作業と長時間重労働をいちじるしく軽減し、この流れは結果として女性の社会進出を後方から力強く支援しました。この大きな社会の変化のなかでドイツキッチンの果たした役割は少なくありません。

システムキッチン(20C後半)。壁面全体を利用し、家具と建築の境界がない。「すべては建築に収斂する」というバウハウスの思想が見える。

ギミックを持つユニットを組み合わせてシステムが組み立てられている。キッチン自体の機械化がはかられている。

ワーレンドルフ・キッチンキャビネットの大きな特徴

高いデザイン性と機能のほかにワーレンドルフ社の製品には大きな特徴があります。それは強度と耐久性です。ワーレンドルフ社のユニットはすべてフォールディングスタイルでつくられます。これは強度と美しさを両立させることができる工法で、日本では「留め組み」と呼ばれます。「留め組み」はコストや手間の観点から急速に姿を消しつつありますが、ワーレンドルフ社は新規に開発した製法とラインで無理なく実現しています。

左側 留め組み(精度と長時間の固定が必要だが高強度)
右側 桟の突き継ぎ(継ぐ部材を突き合わせビスなどで固定する。低コスト、簡易だが強度はない)

留め組みの強度を見せるディスプレイ。

フリースタイルキッチン

フォールディング筐体をつかったフリースタイルのオブジェ。中央の馬はワーレンドルフ市のシンボル。

1997年、ワーレンドルフ社はフリースタイルキッチンという概念を打ち出しました。
ドイツキッチンがブランドとなってから長い年月が経ちました。社会、家族そして食文化の姿は大きくかわりつつあります。ワーレンドルフ社のフリースタイルキッチンはより自由で多様となった家族と食文化のスタイルに柔軟に応えるシステムです。デザイン、機能、強度と耐久性といった基本性能を高レベルで維持しながらモジュラー化とモビリティが徹底され、リビングルームとキッチンの境界をとりはらい、調理と食事を家族全員が楽しめ、改装を重ねながら次世代に引き継がれるような、多様かつ長期的なオーダーに的確に応えることができます。ワーレンドルフは後発のキッチンメーカーですが、その前身にあたるミーレ・キッチン、ミーレをはじめとするドイツキッチン業界の長い歴史と伝統、かれらが社会の中で担ってきた役割をいまもしっかりと受け継いでいます。

ワーレンドルフ社製リビング・キッチン。リビングとキッチンを融合させ、現代と未来の家族像を提示している。

注文までのながれ
ワーレンドルフキッチンはすべてオーダーメイドです。注文を受けてから制作にはいり、完成後船便で輸送されます。納期はおおよそ4.5ヶ月です。お客様のご要望にあわせ最適なプラニングをいたします。興味をお持ちの方は是非お問い合わせください。KRAFTWERKがお客様の理想のキッチンづくりを全力でお手伝いさせていただきます。